マウスピース矯正中、人によってはゴムかけもすることで歯を動かす計画になる場合があります。
今回はゴムかけについてご紹介していきたいと思います。
マウスピース矯正中のゴムかけとは
歯の表面にアタッチメントのような歯の色に近いフックと銀色のボタンがつけられ、そこにゴムをかけて歯を引っ張ることになります。
このゴムは小さな輪ゴムのようなもので、正式名称は『顎間ゴム(がくかんゴム)』または『エラスティック』と呼ばれています。
フックやボタンのつける場所は治療計画によって異なるようです。
交換するタイミングは?
ゴムはだんだん緩くなってしまい、引っ張る力が弱くなってしまうため、1日一回以上と言われています。
歯を効率よく動かすためにゴムを毎回変えた方が効果は高まるので、個人的にはマウスピースつけ外しのたびに交換することをオススメします。
ゴムはいつでも無料なので、遠慮せず医師に相談してもらうようにしましょう。むしろ褒めていただけることもありますよ!
ゴムかけの効果
では具体的にどんな効果があるのでしょうか。
埋まっている歯を出すことができる
歯に高さを出したいとき、ゴムかけをすることで埋まっている歯を引っ張り出すことができます。すぐに効果が目に見えるわけではなく、矯正期間中に時間をかけて出していきます。
初期のうちはまったく歯の動きに気づきにくいですが、矯正を始めて半年くらい経てば効果が分かるようになります。
バランスがよくなる
斜めに歯が生えている場合でも、ゴムかけをすることでバランスが整うようになり、結果的に全体的な歯並びの調整が可能になります。
私の歯は前側に向かって生えていたのですが、ゴムかけをすることで後ろ側へ歯の向きが変わっていき、詰まり気味だった歯並びも改善されました。
さらに正中不一致だった歯並びも、この方法によっていつの間にか中心が揃うようになりますし、上顎と下顎が大きく開いているオープンバイトでも、マウスピースと合わせてつけることで、徐々に隙間がなくなっていきます。
矯正が早く終わる
ゴムかけをしない場合と比べて、圧倒的に大きな力でバランスの良い歯へと移動させることができます。
笑ったときの見栄えは気になりますが、最近はマスク生活が浸透しているので、とりあえずそんなに考えなくて大丈夫かと思います。
むしろ今のうちに早く終わらせたい人は、ゴムかけを積極的に行うべきなのです。
噛み合わせもよくなる
見た目だけの歯並びだけではなく、噛み合わせの治療にも最適です。
噛み合わせが悪く顎に負担がかかっていた人もゴムかけの効果で改善されますし、食べ物をしっかり噛むことができるようになりますよ。
ゴムの種類とかけ方
矯正方法によって種類が変わり、直径やサイズ・引っ張る強さは異なり、その歯の状況によって一番適したサイズの顎間ゴム(約100個入り)の袋をもらえます。
私は上に載せた画像、カンガルーのデザインをしたゴムで、出っ歯の矯正に使われるゴムかけを使用しています。いわゆる2級ゴムというやつです。
上顎の小臼歯と下顎の大臼歯にゴムをひっかけて、上の歯を後ろへ動かしていきます。
前に向かって斜めに生えていた歯が徐々に後ろへ移動するようになって、効果があるんだなあとしみじみ実感しています。
顎間ゴムをもらうときは、どの種類を使っているか聞かれると思うので、袋のデザインを思い出して伝えるようにしましょう。
ゴムかけの期間と時間
それでは実際にゴムかけをする長さやタイミングはいつになるのでしょうか。
期間
歯の状態によってゴムかけの時期は異なります。
最初の計画時に医師から告げられるので、そのマウスピースの枚数分からスタートすることになります。
私は65枚中12枚目から始めて、最後までかける計画で進めています。
時間
マウスピースと同時にゴムかけをすることになるので、基本的には22時間以上です。
最初はかなり引っ張られている感があって違和感MAXですが、そのうち慣れてきます。むしろゴムかけを忘れたら「やばい!」という感覚を持てるようになりますよ。笑
ゴムかけ時のトラブル
ゴムかけをするときにもトラブルが起こることがあります。
ゴムかけを忘れてしまう
ゴムかけの意識を持つようになっても、やはり忘れてしまうときはあります。朝バタバタしているときや、寝ぼけてマウスピースをつけているときなど状況はさまざまです。
まだ在庫があると思っていたら残りわずかたった、ということもあります。このようなことを防ぐために、診察にいくタイミングで多めに顎間ゴムをもらっておきましょう。
上手くボタンに引っかからない
最初に歯医者さんでゴムかけのやり方を教えてもらうのですが、慣れるまでボタンに引っかけるのが難しいかもしれません。
私の場合、鏡を見ないでゴムかけができるようになるまで数週間ほど時間がかかりました。
口の中で外れる
運動したり会話をしていると外れることがあります。外れたら飲み込まないようにかけ直す必要があるのですが、すぐに直せる状況じゃない場合も。
ただでさえゴムかけをしていると喋りづらいのに、口の中に顎間ゴムが残って気になってしまうのがネックです;
ボタンが外れる
食事や歯磨きでボタンが外れることがあります。
こうなるとゴムかけができなくなってしまい、歯の移動に影響を及ぼすので、すぐに医師に相談しましょう。次回の来院でまたボタンをつけてもらえます。
歯磨きをするときは、力をかけすぎずに磨くようにしましょう。
ゴムかけを守らなかった場合
指示されたゴムかけをサボってしまうとどうなるのでしょうか。
歯が移動しなくなる
ゴムかけでバランスが整うはずだった歯が移動しなくなり、引っ張るはずだった歯がそのままの位置から動かないことで、逆にガタガタになってしまうことも。
いかにゴムかけが大事か分かりますね…。
マウスピースが合わなくなる
ゴムかけありの前提でマウスピース矯正の計画が立てられているので、サボってしまうとマウスピースがはまらなくなる可能性があります。
マウスピースと同じで毎回つけなければならず面倒ですが、せっかくの計画も台無しになってしまいます。
矯正期間が伸びる
歯が移動しない、マウスピースも合わないとなると、矯正期間が伸びてしまいます。結果的に予定よりも延長してしまうなんてショックですよね。
マスクの着用が当たり前となった今、ゴムかけをしている姿を見せる機会も少ないです。今のうちに矯正から解放されるためにも、ゴムかけは守るようにしましょう。
まとめ
ゴムかけは正直いうと面倒ですが、マウスピースとセットの装置だと思えば少し諦めがつきます。笑
埋まっている歯を出すことができる
バランスがよくなる
矯正が早く終わる
噛み合わせもよくなる
自分の歯をもっとバランスよく動かしてくれる救世主なので、矯正期間中は顎間ゴムに感謝して矯正を進めるようにしましょう。